「法獣医学の世界」Q&A
2023年9月7日に開催されたシンポジウム「法獣医学の世界」で行われたQ&Aを公開します。
日本獣医生命科学大学以外で法獣医学にあたいする症例を扱う機関を教えてください。
北海道大学、東京大学、麻布大学でも対応しています。その他、法獣医学会が企画する学術集会でも各大学から症例の報告がございますので、ご覧ください。
対応困難と判断される場合について、差支えなければご教示ください。
病理のみで対応困難としてお断りするのは毒物特定を目的とする検査です。
公的機関依頼の場合受け付けるとのことでしたが、医療過誤や中毒を疑った飼い主/病院からの依頼は少なからずあると考えます。このような場合、警察などを通してほしい旨を伝えるのでしょうか。東大では法医解剖に関しては公的機関以外の期間からは受け付けないと明記しているのでしょうか。また、会社的な立場の話をすると、このような検体の相談があった場合にご紹介できる先を知れたらと思いました。
事例によっては、野生動物や臨床等の先生に相談することもあります。基本的には、当教室の教員を中心に、大学院生、学部生、研究生、研究補助員で対応しております。
解剖数が大変多くなっていることに驚きました。検査に従事する人員は研究室内で確保されているのでしょうか。
日本獣医生命科学大学では、教員を中心に、大学院生、学部生、研究生、研究補助員で対応しております。また、動物愛護管理法の改正により獣医師への動物虐待の通報が義務化されたことを受けて、日本獣医生命科学大学では、シェルターメディスン実習を実施しており、解剖の見学等を通して法獣医学の教育普及に努めております。
病理解剖、臨床検査、現地調査など多岐にわたる知識が必要かと思いますが、それぞれ担当の先生などがいらっしゃるのでしょうか。(複数の研究室の先生が関わっているのでしょうか)
事例によっては、野生動物や臨床等の先生に相談することもあります。基本的には、当教室の教員を中心に、大学院生、学部生、研究生、研究補助員で対応しております。
警察や行政機関から非常に多くの剖検の依頼があることに驚きました。これらに対応するための人的リソースをどのようにして確保されているのでしょうか。とても大学の教員だけで対応することは無理と思われますので、臨時職員の雇用等を行うための資金は依頼者からの謝礼のようなもので賄われるのでしょうか。
現状は当教室の教員を中心に、大学院生や学部生で対応しております。雇用資金につきましては、研究費で賄っております。
病理解剖、臨床検査、現地調査など多岐にわたる知識が必要かと思いますが、それぞれ担当の先生などがいらっしゃるのでしょうか。(複数の研究室の先生が関わっているのでしょうか)
東京大学では基本的に獣医師からの依頼(および警視庁等の公的機関)の依頼に限定して病理解剖を受けております。一般の飼主からの依頼は受けておりません。なお法獣医学関連の症例の検査は教員のみで実施しております。
該当症例をご案内する場合の日本獣医生命科学大学の連絡先および担当者を教えてください。
日本獣医生命科学大学の田中亜紀先生までご連絡ください。
法医学は死後に死因等を特定する学問だと思いますが、生存中の動物に対する虐待等については、どのように対応されているかご教示ください。
ご質問ありがとうございます。動物虐待の事例は、全てが致死事例ではございません。動物が生存している事例では、生体を直接診察し、一定期間、保護収容して経過観察をして、損傷やネグレクト等の虐待所見を確認しております。生体を直接診ることができない事例では、画像や動画を元に鑑定書や意見書を作成しております。また、現地調査を実施できる事例では、飼養環境の評価を行っております。
公的機関依頼の場合受け付けるとのことでしたが、医療過誤や中毒を疑った飼い主/病院からの依頼は少なからずあると考えます。このような場合、警察などを通してほしい旨を伝えるのでしょうか。東大では法医解剖に関しては公的機関以外の期間からは受け付けないと明記しているのでしょうか。また、会社的な立場の話をすると、このような検体の相談があった場合にご紹介できる先を知れたらと思いました。
東京大学では基本的に獣医師からの依頼(および警視庁等の公的機関)の依頼に限定して病理解剖を受けております。一般の飼主からの依頼は受けておりません。なお法獣医学関連の症例の検査は教員のみで実施しております。